傷病手当金の医師の証明は受診時に申請書を渡して書いてもらう

傷病手当金の医師の証明は、申請書の「療養担当者記入欄」を通院先の医師に記入してもらうことで取得します。やり方はシンプルで、申請書をダウンロードして受診時に医師へ渡し、後日記入済みの書類を受け取るだけです。ただし証明できるのは実際に受診した期間だけで、空白の期間やさかのぼりには注意が必要です。

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傷病手当金の医師の証明とは申請書4枚目の療養担当者記入欄のこと

傷病手当金をもらうには、申請書に医師の証明が必要です。この証明は、申請書の4枚目にある「療養担当者記入欄」のことを指します。療養担当者とは、ざっくり言うと治療を担当している医師のことです。

協会けんぽの傷病手当金支給申請書は4枚つづりになっていて、1枚目と2枚目が被保険者(本人)記入用、3枚目が事業主(会社)記入用、4枚目が療養担当者(医師)記入用に分かれています(出典: 協会けんぽ)。このうち4枚目だけは自分では書けず、必ず医師に記入してもらう必要があります。

医師が記入するのは、傷病名、初診日、発病または負傷の原因と年月日、主な症状と経過、そして「労務不能と認めた期間」です。労務不能とは、簡単に言えば病気やケガで働けない状態のことです。この期間がそのまま給付の対象期間になるため、ここの記載が証明のいちばん大事な部分になります。

医師の証明は受診時に申請書を渡して依頼する

医師の証明をもらう流れは、次のとおりです。やること自体は多くありません。

  • 申請書を用意する(会社からもらうか、協会けんぽや加入している健康保険組合の公式サイトからダウンロード)
  • 受付や診察時に「傷病手当金の申請書を書いてほしい」と伝える
  • 申請書の原本を渡し、休んでいた期間を医師に説明する
  • 記入が終わるのを待ち、後日受け取る

その場ですぐ書いてもらえるとは限りません。クリニックによっては1週間ほど、長いと1〜2週間預かりになることもあります。締め切りに余裕を持って依頼してください。

申請書はコピーではなく原本を渡します。受診時に持参し忘れると証明をもらえないので、診察日にセットで準備しておくのが確実です。申請のおおまかな全体像は傷病手当金の申請方法でも整理しています。記入例を見ながら準備したい場合は傷病手当金支給申請書の書き方と記入例も参考になります。

証明は通院している診療科の医師に書いてもらう

証明は、その病気やケガを実際に診ている診療科の医師が書きます。たとえばうつ病や適応障害なら心療内科や精神科、骨折なら整形外科、内科の病気なら内科、という具合です。

ポイントは「今その傷病で通院している主治医」に頼むことです。別の病院で過去に診てもらった医師や、その傷病を診ていない医師には書けません。複数の科にかかっている場合は、休んでいる理由となっている傷病を診ている科で依頼してください。

会社に提出した診断書があっても、それを医師の証明の代わりにはできません。診断書と傷病手当金の証明は別の書類です。申請書の療養担当者記入欄そのものに記入してもらう必要があります。

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文書料は健康保険が使えれば数百円、自費なら数百〜数千円かかる

気になる費用ですが、傷病手当金の証明は健康保険が使える場合があります。療養担当者記入欄の記入は診療報酬の傷病手当金意見書交付料(100点)として点数が決まっていて、健康保険が適用されると3割負担でおよそ300円程度です(出典: 厚生労働省)。これとは別に、その日の診察料はかかります。

一方で、文書作成料として自費で請求する医療機関もあり、その場合は数百円から数千円ほどと幅があります。金額はクリニックによって差があるので、依頼するときに受付で確認しておくと安心です。会社に提出する診断書を別途求められると、診断書は自費で数千円かかることが多い点も覚えておいてください。

書類 費用の目安 備考
傷病手当金の証明(療養担当者記入欄) 300円程度〜数千円 健康保険適用なら300円程度、自費なら数百〜数千円
診察料 別途 受診日の通常の負担
診断書(求められた場合) 数千円程度 原則自費

証明できるのは実際に受診した期間だけでさかのぼりはできない

ここは申請でつまずきやすい部分です。医師が証明できるのは、実際に診察した期間だけです。受診していない期間や、初診日より前の期間はさかのぼって証明できません。

たとえば3月1日から働けない状態だったとしても、初めて受診したのが3月20日なら、医師が証明できるのは原則3月20日以降です。3月1日からの分を申請したくても、診ていない以上は書けません。だから「もう働けない」と感じたら、できるだけ早く受診して受診実績を作っておくことが大事です。

また、申請のたびに証明が必要です。1か月ごとなど期間を区切って申請する場合、その都度その期間内に受診し、毎回証明をもらう流れになります。受診が空くと、その空白期間は証明できず給付の対象から外れてしまうことがあります。通院の間隔が空きすぎないよう、医師の指示に沿って受診を続けてください。

医師に断られたときは理由を確認して受診実績を積む

医師に証明を断られたり、ためらわれたりすることがあります。よくある理由は次のようなものです。

  • 働けないほどの状態とは判断できない
  • 初診のみで、その後の再診が途切れている
  • 診察回数が少なく、休業の状況を把握しきれていない
  • 証明を求められている期間に受診していない

対処としては、まず断られた理由をその場で確認します。働けない状態が伝わっていないと感じたら、仕事の内容や症状で何ができないかを具体的に伝え直してください。受診が途切れているのが原因なら、定期的に通院して経過を診てもらうことで証明できる土台ができます。

それでも折り合わない場合は、加入している健康保険(協会けんぽや健保組合)に事情を相談する方法もあります。書類のやり取りや会社との調整が負担に感じるなら、申請を支援してくれる専門家に任せる手もあります。傷病手当金は自分でも申請できますが、すべてを一人で進める必要はありません。どんなときにもらえないかは傷病手当金がもらえないケースも合わせて確認してください。

初診当日やオンライン診療でも証明はもらえることがある

初診当日に証明をもらえるかは、状況によります。初診の時点で医師が「働けない状態」と判断すれば、初診日以降について証明してもらえることはあります。ただし、初診だけだと経過がわからず判断材料が足りないとして、しばらく通院してから書く、と言われることも珍しくありません。当日にこだわらず、まずは受診して状況を診てもらうのが先決です。

オンライン診療でも証明をもらえる場合があります。ただしすべての医療機関が傷病手当金の証明に対応しているわけではないので、予約前に対応可否を確認してください。対応していても、記入済みの原本を郵送で受け取る形になり、手元に届くまで1〜2週間かかることがあります。提出期限がある場合は早めに動くのが安心です。

受け取った後の流れや、いつ振り込まれるかは傷病手当金がいつ振り込まれるかで確認できます。

よくある質問

Q. 傷病手当金の医師の証明は何日くらいで書いてもらえますか
A. その場で書いてもらえることは少なく、数日から1〜2週間ほどかかるのが一般的です。クリニックによって差があるので、提出期限に余裕を持って早めに依頼してください。
Q. 会社に出した診断書を医師の証明の代わりにできますか
A. できません。診断書と傷病手当金の証明は別の書類です。申請書の4枚目「療養担当者記入欄」そのものに、通院している医師に記入してもらう必要があります。
Q. 受診する前の期間もさかのぼって証明してもらえますか
A. 原則できません。医師が証明できるのは実際に診察した期間だけで、初診日より前は対象外です。働けないと感じたら早めに受診して受診実績を作っておくことが大事です。
Q. 医師に証明を断られたらどうすればいいですか
A. まず断られた理由を確認してください。働けない状態が伝わっていないなら仕事内容や症状を具体的に伝え直し、受診が途切れているなら定期的に通院して経過を診てもらいます。それでも難しければ加入している健康保険に相談する方法もあります。
Q. 証明にかかる費用はいくらですか
A. 健康保険が使える場合は3割負担でおよそ300円程度です。自費の文書料として請求する医療機関では数百円から数千円ほどと幅があります。これとは別に受診日の診察料がかかります。

参考資料

  1. 全国健康保険協会「健康保険傷病手当金支給申請書」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124/
  2. 全国健康保険協会「傷病手当金」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/benefit/001/index.html
  3. 全国健康保険協会「健康保険給付の申請書」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/

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