離職票は、失業保険を申請するために必要な重要書類です。しかし、実際に手元に届くまでには日数がかかるため、「いつ届くのか」「届かない場合はどうするのか」と不安になる方も少なくありません。
この記事では、離職票の発行・受け取りまでの流れや、届かない場合の対処法、事前にできる準備についてわかりやすく解説します。受給の遅れを防ぐためにも、正確な知識を押さえておきましょう。
離職票はいつもらえる?退職から届くまでの一般的な流れ
離職票は、退職してすぐに届くわけではありません。発行には複数のステップがあり、会社やハローワークの処理にかかる時間も影響します。
まずは、全体の流れと目安となるスケジュールを確認しておきましょう。
離職票は誰が・どのように発行する?

離職票は、退職者本人が直接発行するものではなく、会社とハローワークを通じて発行されます。
まず、会社がハローワークに「離職証明書」を提出し、記載内容に基づいてハローワークが「離職票」を作成します。作成された離職票は、会社を経由して退職者に交付される仕組みです。
このように、複数の手続きと関係機関を経るため、即日発行とはなりません。発行元が自社ではなく、ハローワークであることを理解しておくと、到着までに時間がかかる理由も納得しやすくなります。
会社が発送するまでの期間と到着までの日数
離職票が退職者の手元に届くまでの期間は、一般的に退職日から10日〜2週間程度が目安です。これは、会社・退職者・ハローワークの間で手続きが順調に進んだ場合のケースです。
実際には、会社の書類作成の遅れや、退職者の署名が遅れることで処理が後ろ倒しになることもあります。また、郵送の場合は方法によって到着日数が変わるため、発送手段も確認しておくと安心です。
以下に、発行までの流れと各ステップのおおよその日数をまとめました。
ステップ | 内容 | 目安となる日数 |
---|---|---|
退職 | 勤務終了 | 0日目 |
会社が離職証明書を作成 | 退職者に内容確認・署名を求める | 1〜3日 |
ハローワークに提出 | 書類審査・発行依頼 | 3〜5日 |
離職票の発行 | ハローワークで発行 | 1〜3日 |
会社が受け取り・退職者へ郵送 | 郵送または手渡し | 2〜4日 |
一連の手続きには複数の関係者が関わるため、どの工程で遅れても到着が後ろ倒しになる可能性があります。
離職票が届かないときの原因と対処法
退職から2週間以上経っても離職票が届かない場合は、何らかのトラブルが発生している可能性があります。
ここでは、よくある遅延の原因と対処法について具体的に解説します。
届かないときの主な理由と確認方法
離職票が2週間以上経っても届かない場合は、何らかの手続き上のトラブルや確認漏れが起きている可能性があります。
まずは、届かない理由を整理し、どこに確認すべきかを把握しましょう。
届かない主な原因
- 会社側の処理が遅れている(書類作成やハローワークへの提出が未完了)
- 離職証明書に記載ミスや不備があり、ハローワークから会社へ訂正依頼が入っている
- 退職者側の署名・押印が未提出のままになっている
- 郵送トラブル(誤送・未達・転送設定ミスなど)
こうした遅延は、本人からは気づきにくいものです。まずは会社に連絡し、「離職証明書は提出済みか」「ハローワークから離職票が戻ってきているか」「すでに発送されたか」といった具体的な進捗を確認してみてください。
もし会社が対応中であれば、スケジュールの見通しが立てられます。一方、対応が不明確だったり放置されている場合は、ハローワークに直接相談することが有効です。
ハローワークへの相談・再発行手続きのポイント
会社に確認しても進捗がはっきりしない場合や、対応が遅れているようであれば、早めにハローワークへ相談しましょう。
離職票の発行には、会社からハローワークへの「離職証明書」の提出が必要です。手続きが始まっていなければ、ハローワーク側でも対応は進みません。
ハローワークでは、以下のような確認や案内を受けられる可能性があります。
- 離職証明書の提出状況の確認
- 離職票の発行処理の進捗に関する情報提供
- 必要に応じた、再発行手続きの案内
会社が非協力的な場合には、ハローワークが事情を確認し、会社に直接連絡を取ることもあります。
離職票の再発行は原則として会社を通じて行いますが、連絡が取れない場合や対応が困難な場合は、本人からの申請も可能です。
その際に求められる主な書類は次のとおりです。
- 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)
- 離職証明書の控え、または退職証明書
- ハローワークが指定する申請書(窓口で案内されます)
再発行には、会社とハローワークそれぞれの事情が影響するため、数日〜1週間ほどかかることもあるでしょう。
ハローワークごとの対応差に注意
ハローワークによって対応方針や必要書類が異なることがあります。訪問前に電話などで事前確認しておくと安心です。
参考: 厚生労働省「労働者の皆様へ(雇用保険給付について)」
離職票が届く前にできることと準備すべきこと
離職票が届かなくても、すべての手続きが止まるわけではありません。失業保険の申請に向けて、先に進められることもあります。
ここでは、離職票が手元にない段階でも可能な手続きと、スムーズに給付を受けるための準備について紹介します。
離職票がなくてもできる手続きと代替書類
離職票が届いていない場合でも、一部の手続きは仮のまま進められます。とはいえ、正式な失業保険の申請や給付には離職票が必要です。代替書類はあくまで一時的な対応と考え、届き次第すみやかに切り替えるようにしましょう。
以下に、手続きごとに提出可能な書類をまとめました。
手続き内容 | 代用できる書類 | 補足 |
---|---|---|
求職申込み | 退職証明書 | 会社に依頼して発行してもらう |
仮の求職受付 | 離職証明書 | 離職票が届いた時点で正式手続きへ切り替え |
その他公的手続きの証明 | 雇用契約書や給与明細の写しなど | 内容や対応は窓口で異なる場合がある |
退職証明書は、退職者の申請によって会社が発行する法定書類です。労働基準法で交付が義務づけられており、発行を断られることは原則ありません。
また、離職証明書は離職票の作成前に会社がハローワークへ提出する書類で、控えを手元に残している場合は活用できるケースもあります。
これらの代替書類を活用すれば、離職票の到着を待つ間に必要な準備や相談を進められます。
スムーズに給付を受けるための準備ポイント
離職票が届くまでに、必要な書類や情報をそろえておくことで、ハローワークでの手続きをスムーズに進められます。
特に初回の求職申込みや雇用保険の申請時には、以下のような準備が求められます。
【事前に準備しておきたいもの】
- マイナンバーカード、運転免許証などの本人確認書類
- 雇用保険被保険者番号(雇用保険被保険者証や給与明細に記載)
- 給付金の振込先となる銀行口座情報
- 証明写真(縦3cm×横2.5cmなど、自治体により異なる)
- 印鑑(自治体によっては不要)
これらの準備が整っていれば、離職票が届いたあとに速やかに申請手続きへ進めます。離職前に確認できるものは早めにそろえておきましょう。
まとめ
離職票は、退職後に会社とハローワークを経由して発行され、本人の手元に届くまで10日〜2週間程度かかります。届かない場合は、会社への確認とハローワークへの相談が重要です。
離職票が届いていなくても、求職申込みや一部の手続きは進められます。受給スケジュールを遅らせないためにも、事前準備を整えておきましょう。
迷ったときは、最寄りのハローワークに問い合わせることが、最も確実な一歩です。